2018年4月4日05時00分

 防衛省が国会答弁で存在しないとしてきた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった。2004~06年の延べ376日分、1万4千ページに上る。

 「ない」はずの公文書が一転、確認されたのは、昨年の南スーダンPKO日報問題と同じ構図だ。当時の稲田防衛相が辞任し、再発防止を誓った小野寺防衛相に代わっても、防衛省・自衛隊の隠蔽(いんぺい)体質は変わっていないと言わざるをえない。

 陸自の初めての「戦地」派遣という重要な記録である。もとより保存するのが当然であり、「見つからない」で済まされる問題ではなかった。

 03年のイラク戦争開戦から15年。米英やオランダの政府は戦後に独立調査委員会を設け、「大義なき戦争」の実態を徹底検証した。ところが日本政府は検証らしい検証もなく安全保障関連法を成立させ、自衛隊の海外活動の幅を大きく広げた。

 見つかった日報は、現場の生の動きを伝えるもので、検証の基礎となりうる。防衛省は今月半ばまでに、資料要求した国会議員に開示するとしているが、「黒塗りばかり」というのは許されない。検証に資するよう最大限の開示を強く求める。

 そもそも、なぜイラク日報は「ない」とされてきたのか。PKO日報と同様、派遣に疑問を抱かせるような情勢の厳しさを隠そうとしたのではないか。そんな疑いが拭えない。

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