毎日新聞2018年3月4日 東京朝刊

 新年度予算案が衆院を通過し、質疑の主舞台は参院に移った。しかし、充実した審議とは程遠い状況に、いきなりなっている。

 その責任はやはり政府側にある。

 参院予算委員会の審議は、安倍晋三首相が今国会の最重要課題と位置づけてきた働き方改革法案のうち、裁量労働拡充部分の削除をようやく決断したことを受けて始まった。

 だが今度は「森友学園」問題に関して、財務省が決裁文書を改ざんしたのではないかという疑惑が朝日新聞の報道で浮上。2日の参院予算委審議はこの問題に集中した。

 疑惑は財務省が2015~16年に学園と土地取引をした際に作成した文書と、昨年2月の問題発覚後に、国会議員らに示した文書に違いがあり、「特例的な内容」といった文言がなくなっているというものだ。

 麻生太郎副総理兼財務相も「事実だとするならば極めて由々しき事態だ」と認めた。野党が事実関係の確認を求めるのは当然だろう。

 ところが麻生氏や財務省は、司法当局の捜査に影響を与える可能性があるとの理由で「答えは差し控える」とかわし続け、審議は再三中断。財務省が省内調査を実施し、6日までに状況を国会に報告する考えをやっと示したのは、この日夕、衆院財務金融委員会の場だった。

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