2018年4月3日

 政府が考える放送法改正論の本質は、テレビへの政治介入ではないだろうか。政治的公平などを定めた四条を撤廃するという。政権に親和的な番組が増えるという狙いが透けて見える気がする。

 放送法ができた時代を振り返ってみたい。制定されたのは一九五〇年。戦争中にラジオが政府の宣伝に利用された反省に立って、放送の自律を保障しつつ、公共の福祉に適合するよう求める法律だ。

 重要なポイントは「放送の自由」と「放送の公共性」であろう。
確かに問題の四条は
(1)公序良俗を害しない
(2)政治的に公平である
(3)報道は事実をまげない
(4)意見が対立する問題は多角的に論点を明らかにする
-ことを放送局に求めている。

 これらの条文は、放送を規制するためと理解するよりも、放送の自由を守るためのものであると考えるべきである。なぜなら、どの規定を破っても、放送は信頼を失い、放送の自由は自壊してしまうからである。放送法は自らの自由を守るための法律なのだ。

 だから、四条の規律を撤廃することは、自由の拡大ではなく、自由縮小につながる恐れがある。わかりやすく言えば、
四条がなくなれば、間違ったニュースが放送されても構わない、
公序良俗に反しても構わない、
政治的に中立でなくても構わない

-そんな報道が増加することが十分考えられるのだ。国民の信頼が薄れることは放送の自由の縮小である。

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