No Nukes 原発ゼロ

福島原発事故を契機に「原発」及び「気になるニュース」をキーワードとした情報収集を始めました。私のスクラップブックです。(by iwane)

カテゴリ:●新聞社・報道 > 朝日新聞

2018年4月19日05時00分

 現職の幹部自衛官が、国民の代表である国会議員に対して「お前は国民の敵だ」と罵倒を繰り返す。およそ考えられない異常事態である。

 暴言を吐いたのは、防衛省統合幕僚監部指揮通信システム部に所属する30代の3等空佐。東京・永田町の国会近くの路上で16日夜、ジョギング中に遭遇した民進党の小西洋之参院議員を、自衛隊員であることを告げたうえで「国民の敵」「(国会での)言動が気持ち悪い」などと執拗(しつよう)にののしったという。

 政治が軍事に優越するシビリアンコントロール(文民統制)の原則からの逸脱は明らかだ。

 「国民の敵」というレッテル貼りは、戦前、国策に非協力的と見なされた者が「非国民」と指弾されたことを連想させる。それは平和憲法の下、災害派遣などを通して地道に積み重ねてきた自衛隊への国民の信頼を裏切る言動でもある。事態を重く見た制服組トップの河野克俊統合幕僚長が直ちに、小西氏に直接謝罪したのは当然だ。

 自衛隊員の政治的行為の制限や、品位の保持を定めた自衛隊法に違反していると言わざるを得ない。3等空佐といえば、一線の部隊の指揮をとれる中堅幹部だ。そんな立場の者が、なぜ、こんな言動に出たのか、事実関係の徹底的な調査と厳正な処分を求める。

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2018年4月19日05時00分

 目を覆いたくなるような国家行政の混乱である。財務省の福田淳一事務次官がきのう、辞任の意向を表明した。

 「現状に鑑みると、職責を果たすのは困難」と理由を述べた。週刊新潮が報じた福田氏のセクハラ疑惑を発端にした騒動であり、麻生財務相も辞任を認めざるをえなかった。

 報道が出た先週以降、麻生氏はじめ財務省と政権の対応は鈍すぎた。調査に腰を上げるのが遅れたうえ、調査の方法をめぐっても議論がおきている。

 そのうえ公の場で説明を避け続けた福田氏の態度に、国民から広く疑問の目が向けられてきた。この間の混迷ぶりを見れば、福田氏が職にとどまれないのは当然だろう。

 しかし、問題をこれで幕引きにしてはならない。

 疑惑についての調査を徹底すべきである。福田氏はきのうも「記事は事実と異なると考えている」と否定した。一方、女性記者との会話の一部とされる音声については、「自分のものかどうかはよく分からない」と、あやふやだった。

 疑惑が事実であれば、女性の人権を軽んじる行為であり、許されない。

 記者クラブに加盟する報道各社に対し、財務省は協力を依頼した。被害を受けた女性がいれば、同省が委託した弁護士事務所に連絡するよう要請した。

 そこには、被害者の立場や苦悩についての配慮が欠けている。この要請を出した矢野康治官房長が当面、次官の職を代行するというが、きちんとした調査ができるか疑問が残る。要請を撤回したうえで、適切な調査の態勢を再考すべきだ。

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2018年4月17日05時00分

 政権の統治能力が疑われる事態である。

 森友問題をめぐる決裁文書の改ざんや口裏あわせで揺れる財務省で、今度は事務方トップのセクハラ疑惑が表面化した。

 福田淳一事務次官が女性記者を自宅近くのバーに呼び出し、「胸触っていい?」「浮気しよう」といった言葉を繰り返したと、12日発売の週刊新潮が報じた。その時のやりとりとされる音声データの一部も、ネット上に公開されている。

 財務省はきのう、部下である官房長らの聴取に対し、福田氏は疑惑を否定したと発表した。だが、与党内からも辞任を求める声が上がっており、混乱は収まりそうにない。

 この間、福田氏は記者団から逃げ回り、取材にまともに答えようとしなかった。報道が事実と異なるのであれば、ただちに反論できたはずなのに、なぜそうしなかったのか。

 氏は一方で、「報道が出てしまったこと自体が、不徳のいたすところ」などと述べているという。どういう意味なのか。記者会見を開いて、自らの口できちんと説明するべきだ。

 麻生財務相の対応の鈍さ、危機感の薄さにも驚く。

 報道当日、国会で追及されると、本人から簡単な報告があったとしたうえで、「十分な反省があったと思うので、それ以上聞くつもりはない」と、事実確認すらしない考えを示した。

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2018年4月12日05時00分

 森友学園をめぐる財務省の決裁文書の改ざん、「首相案件」という文書が見つかった加計学園の獣医学部新設、そして防衛省・自衛隊の日報隠し――。

 行政の信頼を根底から揺るがす事実が次々と明るみに出る中、きのう衆院予算委員会で集中審議が行われた。

 森友・加計問題では、自身や妻の昭恵氏の関わりも指摘されている。行政のトップである安倍首相の説明責任が問われる重大局面だ。

 しかし、首相は野党の質問に正面から答えず、紋切り型の答弁に終始した。これでは、国民の信頼回復など到底おぼつかない。

 とりわけ注目されたのが、審議直前に明らかになった加計問題をめぐる愛媛県の文書に対する見解だ。

 県の職員や学園関係者らが2015年4月に面会した柳瀬唯夫首相秘書官(当時)の発言を記録したもので、「本件は、首相案件」と記されていた。

 首相は県作成の文書を「国がコメントする立場にない」と評価を避ける一方で、面会の事実自体を否定する柳瀬氏を「信頼している」とも述べた。

 論理的には、県か柳瀬氏のいずれかがウソをついていることになる。だが、首相は学部新設までのプロセスは適正で、自らが指示したことはないという答弁を繰り返し、疑問に向き合おうとはしなかった。

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2018年4月11日05時00分

 今度こそ、国会で徹底的に事実を解明しなければならない。

 国家戦略特区の制度を使った加計学園による獣医学部新設をめぐり、新たな文書が明らかになった。安倍首相の秘書官をしていた柳瀬唯夫氏の発言として「本件は、首相案件」と明記されていた。

 15年4月に地元愛媛県や今治市の職員、それに学園関係者が首相官邸を訪問しており、その際、職員が報告用につくった備忘録だと県知事が認めた。

 県と市が特区申請をする2カ月前のことだ。学部新設に反対していた獣医師会への対処などのアドバイスも書かれている。

 秘書官は首相の名代として、各省庁との調整役も務める側近だ。そのキーパーソンが、特定の事業のために時間をさき、懇切丁寧に実現への手ほどきをしていたことになる。

 さらに文書には、柳瀬氏に先立って面会した内閣府の幹部からも「要請の内容は総理官邸から聞いて(いる)」「国家戦略特区の手法を使って突破口を開きたい」と言われた、との記載もある。事実なら厚遇ぶりは明らかで、政権全体で後押ししていたと見るのが自然だ。

 柳瀬氏は昨年夏の国会で「会った記憶がない」をくり返し、きのうも「この案件が首相案件になっているといった具体的な話をすることはあり得ない」とのコメントを発表した。

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2018年4月10日05時00分

 森友学園への国有地の売却価格は適正だったのか。8億円にのぼる値引きの根拠を揺るがす事実がまた明らかになった。

 財務省の太田充理財局長は、きのうの参院決算委員会で、値引きの理由とした地中のごみの撤去をめぐり、学園側に虚偽の説明をするよう求めていたことを認めた。NHKが先週報じ、同省が調査していた。

 「費用に関して相当かかった気がする、トラック何千台も走った気がするといった言い方をしてはどうか」。昨年2月、理財局職員が森友側弁護士に、電話でそう伝えたという。

 国有財産の管理を担う財務省が、取引相手にウソをつかせようとする。前代未聞である。

 国会では、8億円分のごみの撤去には「ダンプカー4千台分」が必要だと野党が追及を強め、当時の佐川宣寿(のぶひさ)理財局長が「適切に行ったというのは、近畿財務局で確認している」などと答弁していた。

 口裏合わせを求めた理由について、太田氏は「(佐川氏の答弁と)整合性を取ろうとした」と述べたが、到底納得できるものではない。

 地中のごみの量については、会計検査院が昨年11月、政府の説明より最大で約7割少なくなる独自の試算を国会に報告している。「適正な価格」で売ったという政府の説明を信じるわけにはいかない。

 きのうの国会では、誰がどのような判断で森友側への働きかけを決めたのか、より具体的な事情は明らかにならなかった。

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2018年4月8日05時00分

 いまこそ国会が行政監視の使命を果たす時だ。

 森友学園との国有地取引をめぐる財務省の文書改ざん問題は、当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)氏が証人喚問で証言拒否を連発したことで、真相解明は進まず、かえって疑念が深まった。

 引き続いての速やかな審議が必要なのに、野党が求めた衆院予算委員会の集中審議は、ようやく11日に開かれる。証人喚問からおよそ2週間を空費する責任は、ひとえに与党の後ろ向きな対応にある。

 防衛省では、国会で存在しないとしてきた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった。1年前に気づいていたこと、陸自のみならず、航空自衛隊にも残っていたことも判明した。1週間に3度も防衛相が国民におわびする異常事態。安倍政権の公文書管理のずさんさは底なしの様相だ。

 行政府で何が起きているのか。立法府こそが究明に力を尽くさなければいけない。

 改ざんが明るみに出てから1カ月余り。政府はいまだ詳細を説明せず、責任回避の姿勢ばかりが目立つ。麻生財務相は「(改ざんは)理財局の一部の職員によって行われた」と述べ、安倍首相は「(学園への国有地売却に)私や私の妻が関わっていないということは明らかだろう」と繰り返す。

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2018年4月6日05時00分

 「ない」と言っていた公文書が見つかっただけではなく、その存在に1年前から気づいていたのに、大臣にも報告せず、ずっと伏せていたというのだから、驚き、あきれるほかない。

 陸上自衛隊のイラク派遣時の日報のことである。

 国会や国民を欺く重大な背信行為であり、シビリアンコントロール(文民統制)の不全は目を覆うばかりだ。防衛省は徹底的に事実関係を調査し、すべてを公表するよう強く求める。

 ■真相に迫れるのか

 安倍政権の下では、南スーダンPKOの日報問題や、森友学園をめぐる財務省の文書改ざんが明らかになっている。

 年来指摘されてきた防衛省・自衛隊の隠蔽(いんぺい)体質に加え、公文書管理や情報公開、国会答弁を軽視する政権の体質が、今回の問題の根っこにあるのは間違いない。

 「見つけることは出来ませんでした」「日報は残っていないことを確認している」

 昨年2月20日の衆院予算委員会で、イラク日報の存否を問われた当時の稲田防衛相はこう明言した。

 しかし、事務方に探索を指示したのは、答弁の2日後。当時の陸自研究本部はいったん「保管していない」と回答したが、3月27日になって「発見」。数人が存在を確認したが、大臣、政務三役、内部部局、統合幕僚監部には報告しなかったという。

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2018年4月4日05時00分

 防衛省が国会答弁で存在しないとしてきた陸上自衛隊のイラク派遣時の日報が見つかった。2004~06年の延べ376日分、1万4千ページに上る。

 「ない」はずの公文書が一転、確認されたのは、昨年の南スーダンPKO日報問題と同じ構図だ。当時の稲田防衛相が辞任し、再発防止を誓った小野寺防衛相に代わっても、防衛省・自衛隊の隠蔽(いんぺい)体質は変わっていないと言わざるをえない。

 陸自の初めての「戦地」派遣という重要な記録である。もとより保存するのが当然であり、「見つからない」で済まされる問題ではなかった。

 03年のイラク戦争開戦から15年。米英やオランダの政府は戦後に独立調査委員会を設け、「大義なき戦争」の実態を徹底検証した。ところが日本政府は検証らしい検証もなく安全保障関連法を成立させ、自衛隊の海外活動の幅を大きく広げた。

 見つかった日報は、現場の生の動きを伝えるもので、検証の基礎となりうる。防衛省は今月半ばまでに、資料要求した国会議員に開示するとしているが、「黒塗りばかり」というのは許されない。検証に資するよう最大限の開示を強く求める。

 そもそも、なぜイラク日報は「ない」とされてきたのか。PKO日報と同様、派遣に疑問を抱かせるような情勢の厳しさを隠そうとしたのではないか。そんな疑いが拭えない。

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2018年3月31日05時00分

 フェイク(虚偽)ニュースの拡大と、それへの対応が大きな社会問題になっているときに、性急で乱暴に過ぎる。

 政府内で検討されている「放送事業の大胆な見直し」のことだ。放送番組について
▽政治的に公平である
▽報道は事実をまげない
▽多角的に論点を明らかにする――などと定める放送法4条の撤廃が浮上している。

 新しいコンテンツ産業の参入を促して、経済を活性化させる規制改革の取り組みの一環だという。一面的な発想に驚く。

 不偏不党な番組づくりを通して健全な民主主義を築くという、これまで放送に期待されてきた使命をどう考えるか。ネットの発達に伴い、放送と通信の境が見えにくくなっているからこそ、社会でどんな規範を新たにうち立てるべきか。

 そうした根源的な議論こそ、求められているのではないか。

 放送法は戦前の報道統制の反省の上に成立した。ただし電波は有限なこと、映像や音は活字以上に訴える力が強いことなどから、4条が設けられた。

 表現の自由を保障する憲法に反するとの意見もあったが、放送界では事業者が自律的に守るべき倫理規定として定着する。実効あるものにするため、03年にはNHKと民放連により、第三者機関の放送倫理・番組向上機構(BPO)もつくられた。

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