しんぶん赤旗 2018年2月9日(金)

 今年度補正予算の審議に続き2018年度予算案をめぐる衆院予算委員会の審議が行われています。

見過ごせないのは「森友学園」への国有地格安払い下げや「加計学園」の獣医学部開設に便宜を図った疑惑に加え、スーパーコンピューターの補助金詐取事件に安倍晋三首相の人脈が関与したとされるなど、「1強」と言われる安倍政権のもとで相次ぐ疑惑に首相らが真剣に向き合っていないことです。

首相側近の茂木敏充経済再生担当相の秘書らが、支持者に線香などを配ったことも問題になっています。まさに「1強政権」のおごりで、あいまいにできません。

新事実に開き直り

 国有地が9割引きという破格の安値で払い下げられた「森友」疑惑で次々新たな事実が明らかになっています。財務省が廃棄したと主張してきた「森友」との交渉記録が省内の相談記録などとして残っていました。

「森友」の籠池泰典理事長(当時)が「棟上げには(首相の妻の)昭恵氏が来る」と財務省に伝えていたことや、財務省との交渉の直後、昭恵氏から「頑張ってください」と激励されたと籠池氏が語っていたことも判明しました。

首相自身の「丁寧な説明」だけでなく、国会で虚偽答弁した財務省の佐川宣寿前理財局長(現国税庁長官)や昭恵氏に問いただすことがいよいよ不可欠です。

 ところが安倍首相や自民党は、佐川氏や昭恵氏の国会への喚問を妨げるだけでなく、首相は「籠池氏の発言はウソが多い」「(昭恵氏が)棟上げ式に参加する予定はなく、電話もかけていない」など、一方的な説明で打ち消すばかりです。

どんなに新しい事実が指摘されても疑惑の解明に背を向ける態度は異常であり、首相がそれで追及をかわせると考えているなら、まさに「1強政権」のおごりそのものです。国民の不信と批判が一層高まるのは明らかです。

 「加計学園」の獣医学部開設が文字通り「加計ありき」で進んだことや、首相人脈関与が指摘されるスパコン事件やJR東海のリニア・ゼネコン談合についてもまともな説明はありません。

 そうしたなか、週刊誌の報道を機に発覚した茂木経済再生担当相の秘書らが選挙区内で線香や衆議院手帳などを配布していた問題は、公職選挙法の寄付禁止にかかわる問題であり、あいまいにできないものです。

公選法が政治家やその後援団体などの選挙区内での寄付を禁止しているのは有権者の判断を買収でゆがめないためで、かつては同様の事件で議員や閣僚を辞任した例もあります。

民主主義の根幹にかかわり、閣僚や議員の資格すら問われることなのに、茂木氏に親しい首相が問題にするどころか「(茂木氏が)自ら説明する」としか言わないのでは、首相の任命責任が問われます。

「森友」も「加計」も、線香も、徹底解明が必要です。

政権全体が無責任

 重大なのは「森友」疑惑や「加計」疑惑でも、茂木氏の問題でも、安倍政権全体に解明に取り組む真剣さがみられないことです。

茂木氏の問題で野党が質問している最中に、茂木氏が隣席で公選法などを所管する野田聖子総務相と談笑し、たしなめられるありさまです。

 安倍首相と安倍政権が「1強政権」のおごりを改めない以上、国民の怒りが政権を追い詰めます。政権担当の資格はありません。