昨年2月17日の衆議院予算委員会における民進党衆議院議員福島伸享議員の質問および安倍首相の答弁は次のものである。

福島議員が次のように質問した。

「あえて言いますけれども、この小学校の名誉校長とされているのが安倍昭恵先生という方で、右を見ると、安倍晋三内閣総理大臣夫人と書いております。この理事長の籠池先生の教育に対する熱い思いに感銘を受け、このたび名誉校長に就任させていただきましたと。

この事実、総理は御存じでしょうか。」

この質問に対して、安倍首相は次のように答弁した。

「この事実については、事実というのはうちの妻が名誉校長になっているということについては承知をしておりますし、妻から森友学園の先生の教育に対する熱意はすばらしいという話を聞いております。

ただ、誤解を与えるような質問の構成なんですが、私や妻がこの認可あるいは国有地払い下げに、もちろん事務所も含めて、一切かかわっていないということは明確にさせていただきたいと思います。

もしかかわっていたのであれば、これはもう私は総理大臣をやめるということでありますから、それははっきりと申し上げたい、このように思います。」

さらに、安倍首相は次のように繰り返した。

「いずれにいたしましても、繰り返して申し上げますが、私も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして、なぜそれが当初の値段より安くなっているかということは、これは理財局に聞いて、もう少し詳細に詰めていただきたいと思いますし、認可においては、大阪府ですか、小学校、中学校ですから大阪市になるのかな。

(福島委員「府です」と呼ぶ)ああ、府ですか、に確かめていただければいいことであって、私に聞かれてもこれは全くわからないわけでありますし、繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」

安倍首相は、
「繰り返しになりますが、私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」
と答弁しているが、「私や妻が関係していたということになれば」と表現している「関係している」の意味は、「認可あるいは国有地払い下げに関係している」ということになる。

ところが、その後に明らかになった事実は、安倍昭恵氏が「国有地の払い下げに関係している」ことを示すものである。

その疑惑はまったく解消していない。

安倍首相は2月5日の衆議院予算委員会で立憲民主党の逢坂誠二氏の質問に対して安倍首相は、
「妻は(国有地売却の)値下げに関わっていない」
と答弁したが、安倍首相は言い回しを変えている。

安倍首相は昨年2月17日に、
「私や妻が認可あるいは国有地払い下げに関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」

と答弁したのであって、「価格交渉や値下げに関わっていたら」と答弁したのではない。

安倍昭恵氏付の政府職員であった谷査恵子氏が籠池泰典理事長の依頼を受けて、財務省理財局に学校用地の賃貸料等に関して照会をかけていたことが判明しており、谷氏は安倍昭恵氏に報告し、今後も推移を見守ると回答している。

籠池氏は安倍昭恵氏に電話で国有地問題について相談し、この相談に基いて安倍昭恵氏が谷氏に指示したと考えられる。

安倍昭恵氏が新設小学校の国有地払い下げ問題に関わった可能性は極めて高いのが現実である。

したがって、安倍昭恵氏本人が公の場で説明する必要がある。
当然のことと言える。

籠池泰典氏については、安倍首相が判断して、いきなり証人喚問を実施した。
籠池氏を証人喚問しておいて、安倍昭恵氏の証人喚問を拒絶することは許されない。

安倍昭恵氏には5人もの秘書が国費で付けられていた。

安倍昭恵氏は公人として活動してきたのであり、そのなかで、安倍首相が「私や妻が認可や払い下げに関係していたら間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」と国会答弁で明言したのであるから、安倍昭恵氏は「認可や払い下げに関係していない」ことを説明する責任を負っている。

安倍昭恵氏の証人喚問を拒絶するなら安倍首相は国会での発言を踏まえて「総理大臣も国会議員もやめる」べきである。

あたりまえのことだ。

野党は安倍昭恵氏の証人喚問を与党が拒絶するなら、すべての審議に応じない姿勢を示すべきだ。

主権者は疑惑の解明を求めている。

本当に関係していないなら、安倍首相こそ積極的に安倍昭恵氏が説明する場を設定するべきである。

いつまでもこの問題が取り上げられているとの声があるが、このような問題に時間を割くことを回避するには、早期に説明責任を果たして疑惑を解消すれば良いだけのことだ。

説明するべき当事者が説明することから逃げ続けているから、いつまでも、こんな問題に時間を割かなければならなくなるのである。

安倍首相は最終的に佐川宣寿前財務省理財局長の証人喚問に応じて幕引きを図る考えなのかも知れないが、核心は安倍昭恵氏と加計孝太郎氏である。

立憲民主党、共産党、自由党、社会民主党は、この問題で徹底して強い姿勢を示すべきだ。