2018年2月2日 06:01

 これではどこの国の大臣なのか分からない。

 衆院予算委員会で、河野太郎外相と石井啓一国交相が米軍を優位に置く状況を是認する姿勢に終始した。

 河野外相は米軍機の事故・トラブルの背景にある日米地位協定を他国並みに見直すよう求められ「国の背景、場所、安全保障上の条件が全て違う。これを全部横並びにして同じにしろともいかない」と述べ、見直しを拒否した。

 県民を危険にさらすのは、米軍機の事故だけではない。米軍人・軍属による犯罪によって、多くの県民が犠牲になってきた。米軍基地に起因する事件・事故がなくならないのは地位協定によって、米軍人・軍属に特権が与えられていることが背景にある。

 河野外相は「条件が全て違う」としたが、命の重さは変わらない。その視点が河野外相には決定的に欠けている。

 米軍機の墜落や不時着事故が民間地域で発生しても、日本の警察による初動捜査は地位協定で阻まれる。これで主権国家と言えるのだろうか。

 2016年12月以降、在沖米軍ヘリコプターの墜落、不時着、部品落下事故などが県内で相次いでいる。だが、米軍はその重大性を認識していない。

 相次ぐ不時着について「一番近い安全な場所に降ろす措置に満足している」(ハリス米太平洋軍司令官)、「予防着陸で良かったと思っている。負傷者もなく、機体を失うこともなかった」(ネラー米海兵隊総司令官)など、県民の怒りや不安を意に介さない発言を繰り返している。

 河野外相に質問した後藤祐一氏(希望)は、米軍に「なめられている」と述べたが、まさにその通りである。

 県などの訓練中止要請などに米軍は耳を貸さず、事故を起こした同型機を含めた訓練を続け、再び事故が起きるといったことが繰り返されている。地位協定の存在だけでなく、国民の安全よりも米軍の運用を優先する政府の姿勢が相次ぐ事故を誘因している。

 石井国交相は、米軍機に自由度の高い飛行を認めている航空特例法を改正し、安全管理を定める航空法第6章を米軍にも適用するよう求められ「日米地位協定に基づいて活動が認められている」などと繰り返し、拒否する姿勢を示した。

 地位協定に基づく米軍の活動が県民を危険にさらしている。それを問題と考えないならば、政治家失格である。

 米軍が大規模に駐留するドイツやイタリアでは米国との協定で、受け入れ国側が米軍基地の管理権を確保し、その国の法律を米軍の活動に適用するなど、自国の主権を担保する仕組みを構築している。それが国としての在り方だ。

 河野外相、石井国交相の答弁は米軍に治外法権を認めるだけでなく、沖縄の米軍基地被害を解消する意思がないことを表明したも同然である。強く抗議する。