しんぶん赤旗 2018年1月25日(木)
      
 またもや沖縄で米海兵隊普天間基地(宜野湾市)所属のヘリが不時着しました。今月だけで海兵隊ヘリの不時着は3回目と、あまりにも異常です。

安倍晋三首相は、普天間基地に代わる名護市辺野古の新基地について「飛行経路が海上となることで安全性が格段に向上」するなどと述べ、「移設工事を進める」とあくまで強行する姿勢を示しています(22日の施政方針演説)。

しかし、今回の不時着場所は、離島の渡名喜村です。普天間基地の海兵隊機が沖縄全域で県民の命を脅かしている現実は、首相の主張が詭弁(きべん)にすぎないことをまざまざと浮き彫りにしています。

「安全向上」はごまかし

 普天間基地の垂直離着陸機オスプレイやヘリは、沖縄全域で墜落や炎上、不時着を繰り返してきました。16年12月の名護市でのオスプレイ墜落後、久米島町、伊江村、石垣市、東村、宜野湾市、うるま市、読谷村、そして渡名喜村と、文字通り、全域に及んでいます。

 普天間基地を名護市辺野古に移したとしても、沖縄全域で県民が危険にさらされることに変わりはありません。「安全性が格段に向上」するなどというのは、沖縄の実態を全く無視した空論、極めて悪質なごまかしに他なりません。

 首相が「安全性が格段に向上」する理由として挙げるのは「(新基地での米軍機の離発着の)飛行経路が海上となる」ことです。しかし、米軍がそうした合意を守ったためしはなく、日本政府にも米軍に合意を守らせる当事者能力がないということも、県民が嫌というほど体験しています。

 今月18日、普天間基地の海兵隊ヘリ3機が普天間第二小学校上空を飛行したのは、その端的な例です。米軍は昨年12月、海兵隊ヘリが同小校庭に窓を落下させた事故を受け、「全ての学校の上空の飛行を最大限可能な限り避ける」ことで日本政府と合意していました。ところが、その合意はわずか1カ月で破られました。

 しかも、米軍の合意違反は今に始まったわけではありません。

 日米両政府は1996年、普天間基地の飛行経路を学校・病院を含む人口密集地上空をできる限り避けて設定することや夜間・早朝の飛行制限で合意しています。2012年のオスプレイ配備の際にも再確認しています。

ところが、米軍は「運用上必要」との口実でこれら合意に違反した飛行を恒常的に行っています。軍の運用を最優先し、県民への約束や県民の安全など眼中にない態度です。

 「移設は(普天間基地の)三つの機能のうち一つに限定する」という首相の新基地正当化論も到底成り立ちません。

 新基地に移されるのは、事故などを多発させている海兵隊のオスプレイやヘリの部隊です。普天間基地から岩国基地(山口県)に移駐した空中給油機も新基地での運用が可能といいます。残る緊急時に米軍機を受け入れる機能は那覇空港に移す案も取り沙汰され、県は強く反対しています。

稲嶺市長の3選を必ず

 新基地は、強襲揚陸艦が接岸可能な軍港機能などを新たに加えた海兵隊の一大出撃拠点にするのが狙いです。名護市長選(28日告示、2月4日投票)で稲嶺ススム市長の3選を必ず勝ち取り、普天間基地の無条件撤去、新基地ノーの審判を下すことが必要です。