およそ議長に期待される役割は、その場の議論を調整して会議をまとめる方向に持って行くものと相場が決まっている。

 ましてや国益がぶつかる国際会議ではなおさらだ。

 その好例が国連安保理会議の議長職である。

 常任・非常任をとわず、一カ月ごとに順番で公平に理事国が議長職を持ちまわりすることになっているはそのためだ。

 そして、日本はこの12月の一カ月間、最後の議長役を務める番が来た。

 ところがきのう15日のニューヨーク発共同がこう書いている。

 「日本はこの2年間、安保理の決定プロセスに関与してきたが、メンバー国を外れる来年以降は(安保理会議への関与が)難しくなる。そこで最後の12月に議長国として議題にイニシアチブを取る事が出来る環境を利用して、11日には人権状況をめぐる会合、15日に閣僚会合と、立て続けに北朝鮮会合を盛り込んだ」と。

 そしてきょう12月16日の毎日新聞もニューヨーク発國枝すみれ記者の記事としてこう書いている。

 「2年間の安保理非常任理事国の任期が12月で切れる日本は、今月が月替わりの議長国である権限を活用し、北朝鮮問題の閣僚会合を主導した。河野外相は会合で、加盟国が北朝鮮に最大限の圧力をかける必要性を強調するものとみられる」と。

 利用(共同)といい、活用(毎日)といい、その呼び方は耳障りはいいが、その実は、議長国としての地位の乱用だ。

 ましてや、話し合による平和の実現を目指すべき安保理事会の議長国が、誰よりも、追従すべき米国よりも、北朝鮮への圧力に躍起になっている。

 これは二重の意味で外交失格だ。
 こんな日本が安保理常任理事国入りを目指そうとしているのである。

 賛同を得られるはずがない(了)





<安保理>河野外相が演説 対北朝鮮制裁の完全履行を要請
12/16(土) 1:11配信 毎日新聞
キャプチャ
河野太郎外相=和田大典撮影

 【ニューヨーク國枝すみれ】国連安全保障理事会は15日午前(日本時間16日未明)、核実験やミサイル発射を続ける北朝鮮問題に関する閣僚級会合を開き、対応策を協議した。

会合で演説した河野太郎外相は、北朝鮮に対する安保理制裁を国連加盟国が完全に履行することを通じて、非核化への政策転換を促す考えを強調。

日本政府が発表した金融機関など19団体を対象にした対北朝鮮追加制裁措置について説明し、国連加盟国に「同様の措置を講じるよう要請する」と訴えた。