2017年11月30日
 
 北朝鮮が強行した再度のミサイル発射は無謀な挑発であり、これ以上朝鮮半島の緊張を高める事態は避けるべきだ。国際社会は結束して外交解決を図らなければならない。

 新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」は、午前三時すぎ、通常より高い角度の「ロフテッド軌道」で発射された。日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

 北朝鮮は、九月からの約二カ月半、挑発行為を控えていた。国際社会からの経済制裁の影響が大きいため、自制しているという見方もあった。

 そんな中、米国は今月、九年ぶりに北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、経済制裁を一段と強めた。

 今回の発射は、これに反発したものとみられる。圧力には屈せず、兵器開発を続けるという姿勢を明確にしたともいえる。

 看過できないのは、「火星15」について、北朝鮮が発射後の「重大報道」で、「米本土全域を攻撃できる」「超大型の重量級核弾頭を搭載可能」と主張したことだ。

 これが事実とすると、新型ミサイルの飛距離は一万三千キロに達する。核弾頭の大気圏への再突入技術を獲得さえすれば、米国への核攻撃も可能になる。

 日米韓をはじめとする国際社会は、結束して北朝鮮の挑発行動を止めなければならない。

 安倍首相も今回の発射を受けて、「核・ミサイルや日本人拉致問題を巡る政策の転換に向け、最大限の圧力を加える」と述べた。

 しかし、このまま対立が長引き、緊張が高まれば、兵器開発を止めるため、米国が北朝鮮を軍事攻撃するしか手がなくなる。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が、「米国が先制攻撃を念頭に置く状況になることを防ぐべきだ」と懸念を表明したのも当然だろう。

 万が一、何らかの軍事衝突が起きた場合、韓国や日本などの関係国には、計り知れない被害が出かねない。そういった事態は、何としても避けなくてはならない。

 ミサイル発射後の報道によれば、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は、「核武力の完成という歴史的偉業が実現した」と宣言した。

 これを読む限り、今回のミサイル発射を一つの区切りとすることも考えられる。ただ、新たな核、ミサイル実験を強行してくる可能性も捨てきれない。

 北朝鮮の出方を見極めながら、外交的な解決を中心に据えた慎重な対応が求められる。